日本財団 図書館


 

の教程を焼き直したもののようである。
風が強くなると、滑空角は深くなるがこれだけの説明ではわからない。
以上のように、その飛行場できめた地上の顕著な目標を基準にして場周飛行をしているうちに、自然に単独飛行のできる技術になるのが、今までのやり方である。しかし、このような課程で経験したものは、野外飛行のときの不時着には、あまり役に立たない。また、初めて見る飛行場には通じない。また、指導する側の人々にとっても、これらのコースでは、各人の個々の考え方で、あまりにも大きく左右されやすい。同時に、不時着の場合には、高度の判定がつかないとか、風に対する統一された考え方が決まっていないなど、むずかしいことがあるので、もっと別な方法で練習しなければならない。これから述べようとする方法は、この点を解明する方法として考えられたものである。

 

060-1.gif

2−28図 進入目測の高度は、風速を考えて計算する。

 

場周飛行の基本
グライダーの場周飛行の基本は、不時着を原則としなければならない。そのためには、目安を主体とした場周コースが基本となる。この課目を練習するには、先にも述べたように、MGを利用すれば、いちばん手っとり早くやれるが、飛行機式の場周になりがちとなる。しかし、最終目的であるグライダーによる練習をしなければ完成しない。その場周コースは、ウインチか飛行機曳航で発航した後、高度の異なる空域から、同じように指定地に着陸することが目的である。
グライダー向きの着陸をするための場周飛行について考えてみよう。動力のない機体を、その日そのときの気象情況の変化に応じて、安全に所定の位置に着陸させるには、接地の瞬間まで、高目に飛行することが原則である。しかも、その目的が野外飛行にあるので、自機の着陸地点に対する飛行高度は不明のままで、目測の判断だけで着陸する。それには、2−29図のように、接地点からの風速に従ったa角または風速とは関係のないθ角を一定に保つようにコースを選定する。高度計とか、接地点以外の地上目標を目測の判定に利用する。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION